グローバル化が加速する現代において、世界における日本の存在感は日々変化しています。特に「親日国」と呼ばれる国々との関係は、ビジネスや観光、文化交流など、私たちの生活に直接的な影響を与えています。
本記事では、独自の調査に基づいた「親日国ランキング」を通じて、世界各国と日本との深い絆についてご紹介します。
世界の主要地域における対日感情の実態
まず、外務省が実施している「海外における対日世論調査」のデータから、主要地域の対日感情を見ていきましょう。この調査では、以下の国・地域において「友好関係」と「信頼性」という2つの観点から日本との関係を評価しています。
- アメリカ合衆国
- ASEAN(東南アジア諸国連合)
- インド
- オーストラリア
- 中南米7カ国
地域 | 友好関係 | 信頼度 |
---|---|---|
アメリカ | 87% | 88% |
ASEAN | 91% | 91% |
インド | 97% | 96% |
オーストラリア | 80% | 79% |
中南米7カ国 | 77% | 83% |
出典:海外における対日世論調査
※ASEAN:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス
※中南米7カ国:メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、ボリビア、ウルグアイ、トリニダード・トバゴ
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興味深いことに、最も親密な同盟国であるアメリカよりも、ASEANやインドの方が高い親日度を示しています。これは、アジア地域における日本の経済的・文化的影響力の大きさを如実に表しているといえるでしょう。
世界の親日国ランキングTOP20
それでは、具体的な親日国ランキングを見ていきましょう。経済関係、文化交流、歴史的つながりなど、様々な要因を総合的に評価しています。
1位:タイ
ASEANの中で最も日本との結びつきが強いタイ。数世紀にわたる友好関係を基盤に、文化交流や経済協力が深く根付いています。特筆すべきは日本のポップカルチャーへの熱狂的な支持で、日本語学習者も急増中です。
2位:インドネシア
戦後の経済復興期から続く強固な絆を持つインドネシア。日本の技術協力によるインフラ整備や、若者を中心とした日本文化への関心の高さが特徴です。マンガやアニメは特に人気が高く、日本のコンテンツ産業の重要なマーケットとなっています。
3位:台湾
東日本大震災時の迅速な支援に象徴される、揺るぎない友好関係を持つ台湾。観光や留学など、人的交流も極めて活発です。地理的な近さと文化的な親和性により、相互理解が深く根付いています。
4位:フィリピン
日本のODAを通じた経済支援や災害復興支援により、強い信頼関係を築いているフィリピン。日系企業の進出も盛んで、雇用創出にも貢献しています。最近では日本食ブームも追い風となり、さらなる関係強化が期待されています。
5位:ベトナム
技能実習生の受け入れを通じた人材交流が活発なベトナム。若い世代を中心に日本文化への関心が高まっており、日本語教育も盛んです。両国の経済的な結びつきは年々強まっており、今後さらなる発展が期待されています。
6位:シンガポール
高度な経済発展を遂げた都市国家シンガポールでは、特に日本食文化への関心が顕著です。和食レストランの激戦区として知られ、日本の食材や調理法への理解も深いのが特徴です。
7位:マレーシア
ASEANの中でも特に日本の美容産業との結びつきが強いマレーシア。化粧品やエステ、ヘアサロンなど、日本のビューティーカルチャーが根付いています。経済成長に伴い、訪日旅行者も増加傾向にあります。
8位:アメリカ
日本の最重要同盟国として知られるアメリカ。政治・経済・文化のあらゆる面で密接な関係を築いています。特にポップカルチャーや食文化を通じた交流は、両国の絆をさらに深めています。
9位:フランス
日本のアニメや漫画文化を高く評価するフランス。「ジャパニメーション」という言葉を生み出したように、日本のポップカルチャーへの理解が特に深い国です。芸術や食文化の面でも相互理解が進んでいます。
10位:オーストラリア
ワーキングホリデー制度を通じた若者の交流が盛んなオーストラリア。天然資源の貿易を軸とした経済関係に加え、教育分野での協力も活発です。日本の四季の魅力や温泉文化への関心も高まっています。
11位:ブラジル
世界最大の日系人社会を持つブラジル。食文化や生活習慣に日本の影響が色濃く残っており、両国の絆は世代を超えて受け継がれています。スポーツを通じた交流も特徴的で、サッカーやバレーボールでの人材交流が盛んです。
12位:カナダ
近年、日本文化への理解が急速に深まっているカナダ。大都市を中心に日本食レストランが増加し、アニメやマンガの人気も高まっています。教育分野での交流も活発で、留学生の往来も増加傾向にあります。
13位:メキシコ
自動車産業を中心に経済的な結びつきが強いメキシコ。日本製品の品質への信頼は絶大で、多くの日系企業が進出しています。文化面での交流も徐々に活発化しており、今後の発展が期待されています。
14位:イタリア
食文化や芸術への造詣が深いイタリアでは、日本の伝統文化や四季の美しさへの関心が高まっています。両国の観光交流も盛んで、互いの文化を理解し合う機会が増えています。
15位:ドイツ
工業技術や研究開発での協力関係が強いドイツ。自動車産業や化学産業を中心に、企業間の技術提携や人材交流が活発です。環境技術や再生可能エネルギーの分野でも協力関係を深めています。
16位:ニュージーランド
水産業を中心とした経済関係に加え、教育分野での交流も盛んなニュージーランド。ワーキングホリデーを通じた若者の交流も活発で、両国の相互理解促進に貢献しています。
17位:韓国
複雑な歴史を持ちながらも、民間レベルでの交流が極めて活発な韓国。観光や文化交流を通じて、若い世代を中心に相互理解が深まっています。K-POPと日本のポップカルチャーの交流も、両国の関係強化に貢献しています。
18位:オランダ
江戸時代から続く歴史的なつながりを持つオランダ。現代では企業間の協力や学術交流が活発で、特に農業技術や水管理の分野での連携が注目されています。
19位:イギリス
かつての日英同盟に象徴される歴史的な絆を持つイギリス。皇室と英王室の交流をはじめ、文化・教育分野での協力関係も深く、金融分野での連携も強化されています。
20位:スウェーデン
環境技術や社会福祉の分野で相互協力を深めるスウェーデン。地方自治体間の姉妹都市提携も活発で、草の根レベルでの文化交流が進んでいます。デザインや建築分野での影響関係も注目されています。
結びに:深まる世界との絆
このように、日本は世界中の多くの国々と深い絆で結ばれています。経済協力、文化交流、人的往来など、様々な形で相互理解を深めている日本の姿が浮かび上がってきます。
今後も、これらの友好関係をさらに発展させ、より多くの国々との相互理解を深めていくことが重要です。そのためには、私たち一人一人が世界に開かれた心を持ち、異文化との交流を積極的に進めていくことが求められているのではないでしょうか。