海外旅行を計画している際、シンガポールで利用できる最高の旅行用クレジットカードをお探しではありませんか。海外での支払いにおいて節約効果を実現したり、より多くのポイントを獲得したりするために、適切なカード選択は極めて重要です。
旅行向けクレジットカードには、選択するカードによって様々な特徴があり、ラウンジアクセスや外貨決済時の追加特典など、魅力的な旅行関連の優遇サービスを提供しています。
本記事では、海外旅行に最適な3つのクレジットカードについて詳しく解説します。さらに、クレジットカードが全ての人に適しているわけではないことを考慮し、柔軟性と安い手数料が魅力のWiseとRevoluteいう2つのデビットカードについても紹介します。
シンガポールでの旅行用クレジットカード事情
シンガポールにおけるクレジットカード普及状況
公益財団法人国際通貨研究所が発表した『国際通貨研レポート/アジア諸国のQRコード決済連携の動向(2024年)』によると、シンガポールでは現金決済よりもクレジットカード決済の利用率が上回っています。また、現金よりもデビットカードでの支払いが多く利用されているのも特徴的です。
シンガポールでのクレジットカード普及状況を整理すると以下のようになります。
決済方法 | シンガポールでの利用割合 | 日本での利用割合 |
---|---|---|
現金 | 19% | 51% |
クレジットカード | 36% | 32% |
デビットカード | 21% | 3% |
シンガポールは日本と比較してクレジットカードなどのキャッシュレス決済が普及している国です。そのため、旅行や留学、移住の際には、シンガポールで利用可能なクレジットカードやデビットカードを所有することが必須といえるでしょう。
シンガポールでクレジットカードが利用できる場所
シンガポールでは基本的に大部分の場所、店舗、公共交通機関でクレジットカードが利用できます。
店舗での決済
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ショッピングモールなど、ほぼ全ての店舗でクレジットカードが使用可能です。小規模な露店では現金のみの場合もありますが、現金チップの文化がないため、基本的にカード決済で困ることはありません。
飲食店での決済
カフェやレストランの大多数がクレジットカードに対応しています。ただし、ホーカーセンター(屋台街)や露店では現金決済が主流となるため、現地通貨を準備しておくと便利です。
公共交通機関での決済
電車(MRT)、バス、タクシーの多くでクレジットカードが利用可能です。一部のタクシーや小規模サービスでは現金決済が必要な場合もあるため、現地通貨を少額持参しておくと安心です。
クレジットカードはほとんどの場面で利用できますが、現金も少額携帯しておくと便利です。
旅行用クレジットカード選択時の重要ポイント
シンガポールの主要銀行はすべて旅行用クレジットカードを提供しており、航空マイルの形でのリワードや外貨決済時の高いキャッシュバック率を提供しています。一部のカードでは旅行保険や空港ラウンジアクセスなどの追加的な旅行特典も提供されています。
通常、クレジットカードから最高レベルの旅行リワードを得るためには年会費の支払いが必要です。旅行用クレジットカードは外貨取引手数料として約3.25%を請求する傾向があります。これは海外での利用時に毎回発生する追加手数料です。つまり、選択した旅行用クレジットカードから得られる全ての利益と、利用時に発生する追加コストを比較検討する必要があります。
Wiseカードのような国際利用に最適化されたデビットカードと比較することをお勧めします。これらのカードは一般的に手数料が安く、全体的により良い価値を提供する可能性があります。
シンガポールで使用可能なクレジットカードブランド
シンガポールではVISAやMastercardなどの国際的なクレジットカードブランドがほぼ全て利用可能です。
中国のクレジットカードブランドである銀聯(ユニオンペイ)や日本発のクレジットカードブランドであるJCBも利用できます。
ただし、JCBの場合、店舗によって対応状況に差があります。日本人がよく訪れる旅行先や留学先、ショッピングエリアなどでは利用できることが多いですが、対応していない店舗やサービスも少なくありません。
ユニオンペイも同様に、利用できる場合とできない場合があります。
「JCBやユニオンペイに対応していない」という状況で困らないよう、別ブランドのカードやデビットカードなどを準備しておくことをお勧めします。
シンガポールで使える旅行用おすすめクレジットカードとデビットカード5選
旅行用カードを選択する前に、資格要件を満たしているかを確認し、支払う手数料がアクセスできるリワードに見合うかを検討する必要があります。
以下は、シンガポールで人気の旅行用クレジットカードの主要な特徴と手数料の概要です。
カード名 | 年会費 | 国際ブランド | 海外旅行傷害保険(利用付帯) | 海外アシスト(24h日本語対応) | 還元率 | その他海外特典 |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() 楽天カード
|
永年無料 | Visa / Mastercard / JCB / Amex | あり(旅行代金をカード決済で付帯) | あり(海外アシスタンスサービス) | 約1%(100円=1pt) | Wi-Fi、手荷物宅配、レンタカー優待など |
![]() エポスカード
|
永年無料 | Visa | あり(旅行代金をカード決済で付帯) | あり(海外サポートデスク、日本語対応) | 約0.5〜1%(公式非明示) | コスパ良好、都市ごとの日本語サポート |
![]() セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス
|
初年度無料、次年度以降33,000円(税込) | American Express | あり(海外最高1億円、国内5,000万円) | あり(メディカルヘルプライン・ホットライン) | 基本0.5%、海外利用1.0% | プライオリティパス無料、JALマイル最大1.125%、空港ラウンジ、コンシェルジュ、保険手厚い |
![]() Wise
|
無料(発行時手数料のみ1,200円前後) | Mastercard | なし | なし | 記載なし(為替優位性重視) | 為替手数料業界最安水準、海外ATM引き出し無料(月2回まで3万円上限) |
![]() Revolut
|
Standard:無料 Premium:¥980/月 or ¥9,800/年 Metal:¥1,980/月 |
Visa / Mastercard(国・プランで異なる) | Premium以上で旅行保険付帯(条件あり) | なし | 還元率なし(プランによりポイント制度あり) | 多通貨口座、スマート為替レート、ATM引き出し上限(プラン依存)、Metalは特典豊富 |
楽天カード

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa / Mastercard / JCB / Amex 任意選択可能 |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | あり(旅行代金をカードで支払いの場合) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | あり(海外アシスタンスサービス) |
還元率 | 通常100円につき1ポイント(1%)程度 |
その他海外特典 | Wi-Fi・手荷物宅配・レンタカー等の優待特典 |
エポスカード

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | あり(旅行代金をカードで支払った場合) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | あり(各都市に海外サポートデスク、日本語対応) |
還元率 | 一般的に1%前後(公式明示なし) |
その他海外特典 | 特になし(ただし、コストパフォーマンス良好と評価) |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 永年無料 |
国際ブランド | Visa |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | あり(旅行代金をカードで支払った場合) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | あり(各都市に海外サポートデスク、日本語対応) |
還元率 | 一般的に1%前後(公式明示なし) |
その他海外特典 | 特になし(ただし、コストパフォーマンス良好と評価) |
Wise(デビットカード)

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 無料(発行時のみ数百〜千円程度) |
国際ブランド | Mastercard |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | なし(デビットカードのため保険なし) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | なし |
還元率 | 記載なし(通貨・手数料面での優位性が特徴) |
その他海外特典 | 為替手数料が非常に低い、 海外ATM引き出し無料(月2回まで、上限あり) |
Revolut(レボリュート)

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | Standard:無料 Premium:¥980/月 または ¥9,800/年 Metal:¥1,980/月 |
国際ブランド | Visa または Mastercard(国・プランにより異なる) |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | 有料プラン(Metalなど)で提供あり。ただし、規定あり(金額・条件要確認) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | なし(特記事項なし) |
還元率 | 特になしが基本。 ただし「RevPoints」プログラムにより、プランによって支出に応じてポイント還元あり |
その他海外特典 | スマート為替レート、多通貨口座、 ATM無料引き出し上限(プランごと) |
クレジットカード利用のメリット:保険と安心感
海外旅行保険の付帯
クレジットカードには海外旅行保険が付帯されているものがあり、旅行中のトラブル発生時に補償を受けられる可能性があります。
日本語サポートや医療サポート
一部のカードでは海外でも日本語でのサポートサービスや、怪我や病気の際の医療サポートを受けられるサービスが提供されています。
紛失・盗難時の安心感
カードの紛失や盗難時にもサポートが受けられるため、現金を持ち歩くよりも安全性が確保されます。
生活や旅行の利便性
シンガポールではクレジットカードが広く普及しており、店舗から公共交通機関まで対応しているため、生活や買い物がより快適になります。
クレジットカードは、保険やサポートサービスだけでなく、シンガポールのキャッシュレス社会に適応するための便利なツールとして、旅行や滞在をより安心で快適なものにしてくれます。
シンガポールでクレジットカードを利用する際の注意点
シンガポールへの旅行や留学などでクレジットカードを使用する際は、留意すべきポイントが2つあります。
- MRT(シンガポールの地下鉄などの電車)にはVISA、Mastercardが対応している
- ホーカーセンター(屋台村)では現金決済が基本でクレジットカード決済はあまり利用できない
シンガポールの電車であるMRTでもクレジットカードが利用できます。ただし、利用可能なクレジットカードはVISAとMastercardとなっているため、JCBなどは使用できません。電車などの公共交通機関をよく利用するなら、対応ブランドであるVISAやMastercardを準備しておくことが重要です。
シンガポールは屋台文化が発達しており、小さな屋台がたくさん集まった「ホーカーセンター」は観光の目玉となっています。
ホーカーセンターは現地通貨での現金決済が基本です。ホーカーセンター用に少額の現地通貨を準備しておくことをお勧めします。
実際の為替レートで賢くお得な支払いを:Wiseデビットカード

項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 無料(発行時のみ数百〜千円程度) |
国際ブランド | Mastercard |
海外旅行傷害保険(利用付帯) | なし(デビットカードのため保険なし) |
海外アシスト(24時間日本語対応) | なし |
還元率 | 記載なし(通貨・手数料面での優位性が特徴) |
その他海外特典 | 為替手数料が非常に低い、 海外ATM引き出し無料(月2回まで、上限あり) |
シンガポールへの旅行や留学では「クレジットカードが便利」と思われがちですが、実際には多くのクレジットカードには2%〜3%以上の海外手数料があり、シンガポールでの決済に使用することで余分なコストを支払っていることが少なくありません。そこで注目したいのが、シンガポールなど海外での利用に特化したWiseデビットカードです。
デビットカードもシンガポールで普及しているキャッシュレス決済方法の一つで、日本国内での支払いにも使用できます。
Wiseデビットカードを使えば、実際の為替レート(ミッドマーケットレート)と0.51%(日本円→シンガポールドルの場合)の両替手数料で、透明性が高くコストを抑えた外貨決済が可能です。これにより、シンガポールと日本国内の両方で便利かつお得にお金を使うことができます。
ただし、Wiseカードには保険などの特典は付帯していません。保険などの特典目的でクレジットカードを使用し、決済手数料が安いWiseデビットカードを使用するという使い分けも可能です。
Wiseデビットカードを使用した場合の具体例
1,000シンガポールドルの買い物をした場合のコストを比較します。
1. Wiseデビットカードの場合
手数料: 0.51%
計算方法。
1,000 SGD × 0.51% = 5.10 SGD(両替手数料)
トータルコスト。
1,000 SGD + 5.10 SGD = 1,005.10 SGD
2. 一般的なクレジットカードの場合
手数料: 3%
計算方法。
1,000 SGD × 3% = 30.00 SGD(海外事務手数料)
トータルコスト。
1,000 SGD + 30.00 SGD = 1,030.00 SGD
比較結果
- Wiseデビットカード: 1,005.10 SGD
- クレジットカード: 1,030.00 SGD
- 節約額: 24.90 SGD(約2,800円相当)
Wiseデビットカードを使用することで、約2,800円もお得に外貨支払いが可能です。
Wiseデビットカードの魅力
1. 実際の為替レート(ミッドマーケットレート)を使用
Wiseデビットカードはクレジットカードのように不利な為替レートではなく、Googleなどで調べられるリアルなレートで決済できます。隠れた手数料などのコストはありません。
2. Wiseデビットカードは手数料率が低く透明性が高い
Wiseデビットカードの手数料は0.51%(日本円→シンガポールドルの場合)と、クレジットカードと比較すると手数料率が低くなっています。事前に日本円からシンガポールドルに両替することも可能です。さらに、シミュレーションを使って手数料がいくらになるかが明確に分かる仕組みになっています。
Wiseデビットカードは手数料率が低く、手数料の透明性も高いため、コストを削減しつつ安心して使えるところが特徴です。
3. Wiseデビットカードなら多通貨管理が簡単
Wiseアカウントでは、40以上の通貨を同時に管理できます。シンガポールなど旅行先にあわせてリアルタイムでの両替が可能です。
4. デビットカードの安心感
デビットカードは口座残高内での利用なので、クレジットカードのように使いすぎるリスクがありません。
5. シンプルな料金体系
年会費無料で維持費もかからず、余計な支出を気にせず使えます。
6. その他の特徴
- アプリでカード凍結や管理が簡単
- 18歳から申し込み可能
- 初回発行手数料1,200円のみ
使い方
- アカウント作成。Wise公式サイトまたはアプリで無料登録
- 本人確認。必要書類をアップロードして確認手続き完了
- カード発行。発行手数料1,200円でデビットカードを発行
Wiseデビットカードは、国境を越えたライフスタイルやお金の管理をよりスムーズにするツールとして、多くの人に選ばれています。透明な料金体系と多通貨対応の柔軟性で、シンガポールでも節約しながら安心して使えるのが魅力です。
まとめ
旅行用クレジットカードは支出のコストを分散し、使用時にリワードやキャッシュバックを獲得する良い方法となり得ます。しかし、年会費や海外使用時の手数料などの追加料金が発生する傾向があり、さらに請求書を毎回期限内に完済しない場合には利息やペナルティも発生します。
シンガポールは日本よりもキャッシュレス化が進んでいるため、公共交通機関や飲食店、お土産店、ホテルなどで問題なくクレジットカードが利用できます。
ただし、日本のJCBは日本人観光客が多い観光施設や店舗では利用できても、地元の人が多く利用する店舗では使用できないなど、カードブランドによって対応状況に違いがあります。注意が必要です。
シンガポールではVISAやMastercardがよく使用されており、MRTもこれらのカードブランドに対応しています。シンガポールに旅行や留学をするなら、VISAやMastercardを持参しておくと便利です。
ただし、海外でクレジットカード決済をすると、隠れた手数料によりコストが増加してしまうことも少なくありません。
旅行用クレジットカードを選択する前に、代わりにWiseカードのような旅行用デビットカードを検討することをお勧めします。年会費や月額料金がなく、世界中の通貨を保有、送金、使用、受取、両替する簡単な方法を提供するカードを入手できます。これにより旅行がより便利で安価になる可能性があります。
コスト対策としては、Wiseデビットカードとクレジットカードを両方作成しておいて、クレジットカードの海外旅行保険などの特典を活用しながらコストの少ないWiseデビットカードをメインに使用する方法がお勧めです。
シンガポールの旅行でWiseデビットカードやお持ちのクレジットカードを場面ごとに使い分けてはいかがでしょうか。適切なカード選択により、シンガポールでの支払いをより効率的かつ経済的に行うことができ、旅行体験全体を向上させることができるでしょう。